2002/10/04
株制度改悪の話3
続きです。
もちろん、まったく何も得がないわけではありません。例えば確定申告する際には、ちょっとだけ楽になります(所得税の15%分に関しては証券会社が代行して支払い、5%分に関しては自分で納税する似非源泉分離課税方式か、証券会社が送ってくれた書類を転記するだけのちょっと楽な申告分離課税方式のどちらかが選べる。また、全く確定申告しなくて済む代わりにとっても損な方法もある。それ以外にも特定口座制度には色々と利点と欠点がある方法が選べる)。まあ、それでも選択肢は無いよりあったほうがいいですから、特定口座制度を利用したいと思うかも知れませんが、その場合は今年中に申し込みをしないと大変なことになります。というのは、今年中に特定口座を申し込まない場合、来年以前購入された株に関しては、特定口座に組み入れできないという罠が待ち構えているのです(つまり、過去に買った株を特定口座に入れてくれない)。しかも、特定口座に組み入れる株の取得価格は、例の10月1日以前の株に関しては10月1日×80%という価格で計算されてしまいます(この特例として、1993年以降に株を買った証券会社に預けた場合、実際の価格を元にして計算される。もちろん、それより以前のものは、バブル絶頂期に買った高い株券でも10月1日×80%の価格として計算される)。さらに、慌てて家に転がっている株を証券会社に預けても、特定口座に組み入れてくれません(昨年10月1日以降の持ちこみ株は特定口座にできない)。つまり、ないないづくしという素晴らしいシステムなのです。利用したくなりましたか?
そういうわけで、色々改正されるのですが、この中でも最も腹立たしいのが10月1日×80%という無茶苦茶な特例です。これに対する対策が無いわけではありません。とっても簡単な話で、とりあえず今、株を源泉分離課税で売って買い戻せばいいのです。もっとも、今の株価じゃこれでも損することは免れないと思いますが・・・。


 

Topへ