2002/10/03
株制度改悪の話2
続きです。
昨年の10月1日というのは、例のテロ事件があった直後です。つまり、株価が急激に下がって、底値になっていたときなのです。ただでさえ株価が落ちているときに、さらに80%をかけられてしまいますから、いかに現在の株価が落ちているとは言え、絶対に徴税されます。ちなみにこの10月1日特例というのは記録が無い人だけでなく、たとえ記録が残っている人でも記録を無視して10月1日の株価×80%を適用してよいと言っているのですが、まあ、普通しないでしょう。明らかに損ですから。つまり、極めて増税、というのが今回の改定なのです。おまけに、本来は来年度から適用されるはずだったこの制度は色々とイカサマな減税策を付けることで3ヶ月も早まって1月から適用されることになりました。当たり前ですが、さすがに反対が多く、その対策として、多少税率が緩和されたり(20+6%が15+5%に減ったし、1年以上保有している株に対しては当面10%の税率とすることになった)、損益に関しては3年後まで繰越控除可能になったり(ようするに1年目に赤字、2年目に黒字となっても1年目の赤字分を相殺して2年目の申告ができる)、今年買った株を2005年以降に売った場合は買価1000万までを控除するとかありますが、はっきり言って、源泉分離課税よりも美味しい話は、ありません。では、本当に源泉分離課税は完全に消滅したのか、といわれると実は残ります。特定口座制度というのを利用すると、源泉分離課税制度が利用できるのです。ただし、税率は売買時に1.05%ではなく、もっと酷い取られ方です。この方法ですと月ごとの売却益に対して20%の税金が取られる上、多く取られた分は戻ってきません(例えば1月に儲けが出て20%取られ、次の月に損しても、前の月の分は申告しないと相殺されない)。よって最終利益に対して20%以上、確実に取られます。ようするに源泉分離課税に見せかけたイカサマなのです。
続きます。


 

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