2002/06/05
中国野菜の話1
中国産のほうれん草を使っていたローソンの「ほんれん草のごま和え」が、販売中止・自主回収になりました。このほうれん草に含まれていた農薬のうちクロルピリホスが基準値を越えていたためです。
もともと、中国産の野菜には残留農薬や重金属類が基準値を上回ることが多々ありました。例えば中国産野菜の残留農薬が問題になった後の今年の1月に厚生労働省が緊急実行した検査ではオオバからはフェンバレレートが、パクチョイ(チンゲンサイの一種)やニラ、ケール(青汁の原料)からはクロルピリホスが、サイシン(花野菜の一種)からはジクロルボスが、ブロッコリーからはメタミドホスが、それぞれ基準値をオーバーした量、検出されています。この特別検査後の通常検査でもブロッコリーからはメタミドホスが相変わらず検出されてますし、エンドウからシペルメトリン、落花生からダミノジットやアフラトキシン、シソからもクロルピリホスが検出されてたりしてます。さて、中国野菜の農薬に関しては散々問題になっているので、使われている農薬類に関してまとまった説明があるかと思ったのですが、どれも「基準値を越えた」とか「国際的に使用を禁止されている」とか。良くても「日本の基準は何ppm(何故か同じページで国際基準が云々なんて書いていたりする)」というような表現ばかりでIARCやACGIHのグループ、WHO/FAOのADI値のような基本的な値も記載されていない状態のようです。そういうわけで調べてみました。まずはフェンバレレートから。合成ピレスロイド系殺虫剤です。作ったのは日本の住友化学。FAOのADI値は0.02です。加熱するとシアン化水素、塩化水素などの猛毒ガスを発生します。発癌性は無い(IARCでグループ3)ようですが、水生生物に対する影響が大きいため、EPA(米国環境保護庁:Environmental Protection Agency)の制限使用農薬リストに入っています(アメリカでは農薬を扱うのに資格が必要な場合がある。その農薬を制限使用農薬(restricted use pesticide)と言い、扱うには資格認定が必要)。
続きます。


 

Topへ