2002/06/06
中国野菜の話2
続きです。
次はクロルピリホス。これは有機リン系殺虫剤です。IARCには入っていませんが、変異原性(遺伝子を傷つけ、癌化させる)の危険があると言われており、EPAの制限使用農薬です。FAOのADI値は0.01。ジクロルボスは有機リン系殺虫剤です。少なくともニワトリに対しては奇形性を持つのが確認されており、IARCでグループ2Bに入っています。まだEDAの制限使用農薬ではありませんが、見直し対象になっていますのでそのうち入ると言われています。FAOのADI値は0.004!こんな危険なジクロルボスですが、日本では「バルサン」として売られています。メタミドホスも有機リン系殺虫剤です。こいつは危険度が高いことで有名で、もちろんEDAの制限使用農薬ですし、FAOのADI値も0.004です。何故か不思議なことに、アルコール飲料の使用で、この物質の有害作用が増大するらしいです。シペルメトリンは合成ピレスロイド系殺虫剤で、その発癌性からEDAの制限使用農薬になっているのですが、IARCにもACGIHにも入っていませんでした。FAOのADI値は0.05。それほど危険ではなさそうに見えますが、こいつはむしろ環境ホルモンとしてのほうが有名ですね。ダミノジッドは調べてもよく判らず、FAOのADI値を調べたところ、0.5となっていました。EDAの制限使用農薬ではありません。使用禁止農薬です。この農薬自体よりも、不純物として混じっているジメチルヒドラジンのほうが発癌性を持っているためです。ついでにジメチルヒドラジンの説明をしてしまいますが、これはもちろんIARCのグループ2B。ACGIHでもA2になっているようです。最後のアフラトキシンですが、これだけは農薬ではありません。カビの一種です。天然の発癌性物質としては最強と言われています。
中国産野菜から基準値オーバーで検出された物質はこれで終わりですが、以前に書いた中国緑茶の鉛の件もありますし、どうも氷山の一角のような気がしてなりませんね。


 

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