2002/06/04
DHCの添加物の話
さて、添加物の話をつらつらと書いていましたので、ついでに2ヶ月ほど前に発生した添加物事件についても書こうかと思います。それはDHCという化粧品メーカのアスタキサンチンという商品にエトキシキンが混入していた疑いがあるという事件です。
エトキシキンについて調べてみると、やれベトナム戦争の枯葉剤に使われていただの、ダイオキシン系だのと書かれているものを多々見かけますが、嘘はもう少し上手に書いたほうがいいでしょう。確かにベトナム戦争の枯葉剤に使用されたのは事実ですが、枯葉剤で問題になったのはダイオキシンであり、また、エトキシキンの分子式をどう見てもダイオキシン系でないことがばればれです。そもそもダイオキシンは滅茶苦茶たくさんの同族体を持ちますし、広義にはジベンゾフランやコプラナーPCBを含むこともありますが、そのどれにしても特徴的なのは2つの独立したベンゼン環と、水素から置換された塩素です。しかし、エトキシキンはキノリン系であり、窒素は含んでるし、塩素は含んでいないしで、誰がどう見たってダイオキシン系のわけがありません(WebPageで堂々とダイオキシン系と言っている連中はダイオキシンがジ・オキシつまり酸素原子を2つ持つという意味だとわかってるのだろうか?エトキシキンの化学式のC14H19NOが読めて言っているのだろうか?もっともジベンゾは酸素1つだしコプラナーは酸素を持たないが・・・)。さてエトキシキンは高い発ガン性があるということなので、IARC、ACGIHの両方に当たってみたのですが、どちらにもデータがありませんでした。エトキシキンって、そんなに危険な物質ではないんじゃないか?と、FAOを調べてみました。ADI値0.06mg。今までに無い低さです(ダイオキシンは0.000004mgでそれよりも遥かに下なんだけどさ)。
道理で、日本で食品添加物として禁止されているわけです、と思って調べてみれば、日本では農薬としてはADI値で3mgまで使用していいことになってるんです。後から混ぜるのは駄目でも、先に塗ってから出荷するならOKということですか・・・。
前 後
Topへ