2002/02/17
コリオリの嘘の話1
洗面台や浴槽から水を抜くと、渦巻きが出来ます。
この渦巻きは北半球では半時計回り、南半球では時計回りになるのですが、これはコリオリの力で説明できます。というのは真っ赤な嘘です。テレビでそう言ってたぞ!という声が聞こえてきそうですが、テレビの言うことを丸々信じちゃいけませんよ。嘘八百で突込みどころ満載のあるある何とかという番組も、堂々と放映されているんですから。たしかに、コリオリの力というものは存在します。コリオリの力は簡単な割には説明しにくいのですが、ちょっと説明してみます。まずは地球儀を用意してください。そのほうがわかりやすいですから。地球儀なんかないって?じゃあ円形の紙、それもないなら、大きな円を書いた普通の紙でもいいので、用意して地球に見たててください。地球を北極の地軸から見ると、ちょうど円のように見えます。この円は自転によって反時計回りに周っているように見えます(南半球から見ると逆に見える)。さて、地球儀を止めた状態で赤道から極点に向かって直線を引きましょう。だいたい真っ直ぐな線が引けますよね。では、実際の自転を再現して、地球儀を半時計回りに回しながら同じように真っ直ぐのつもりになって線を引いてみてください。線は回転によって流されて、曲線を描きます。これは時計回りの線になります。当たり前ですね。この当たり前のことがコリオリの力です。水が排水溝から抜けようとした場合、コリオリの力によって水は時計回りに流れようとし、穴の中心では半時計回りの流れができます。なんで半時計回りなんだ、と言う人は、紙と鉛筆を用意し、真中に◎を書いて、その外側の丸と内側の丸の間に小さな時計回りの渦を八個くらい書いてみてください。外側の丸に触れている線は時計回りに、内側の丸に触れている線は半時計回りになりますよね?そのため、洗面台や風呂桶の水もコリオリの力を受けて、常に一定の方向に回るという根強い迷信が極一部の非科学的な人達によって信じられてきました。
続きます。
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