2001/06/23
アスキーの話
アスキーの社長、西和彦氏がついに社長の座から勇退することになりました。この西氏というのは、コンピュータの世界では色々としでかす人で、知らない人はいないというくらい有名な人です。
そもそも彼が月刊アスキーを創刊したのはまだ早稲田大学の学生のころで、実に今から二十六年も前の話です。私ですら五歳。パソコンどころかマイコンだって知らないころです。この人はMSXコンピュータの仕掛け人としても知られています。たまたまアメリカに出張するため飛行機に乗った西氏が自分の背広のポケットを探ったら何故かZ80というCPUが出て来、暇だったのでこれで何か作れないかと考えて飛行機から降りたときにできたのがMSXだったというエピソードを持っています(完全な余談ですが最近アスキーが中心となってMSX復活の話が出つつありますが、実はMSX規格のうち徳間書店が担当していた部分の権利を一切放棄してくれないため暗礁に乗り上げているとか。まあ、ファミリーコンピュータマガジンにアスキーから嫌がらせのようにファミリーコンピュータ通信をぶつけられて潰された手前、徳間もうんとは言えないのでしょう)。ついでなので西氏だけではなくアスキーについても調べてみたところ、これがなかなか面白いんです。アスキーという会社が、もし自分の会社の元社員が起こした会社を全部含めてアスキーグループというグループ企業としたら物凄いことになっているのです。何故なら、コンピュータ業界のトップの集いで石を投げると元アスキーの社員に当たるというくらい優秀な元社員がいるからです。元社員として有名なところではダービースタリオンの作者である薗部博之氏がいますが、それ以外にも例えば日本マイクロソフトの会長(古川享氏)と社長(成毛真氏)は元々アスキーの社員ですし、インプレス社の中心も元アスキーの社員です。
しかし、問題はそういう優秀な人材がみなアスキーを退社してから活躍し、アスキー自体は巨額な借金を抱えてずぶずぶと沈んでいったことでしょう。単に人を見る目がないとは言いませんが、なんだかなぁとは思います。


 

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