2001/06/24
時代に逆行する話1
ネットワーク時代になって大型コンピュータの時代は終わりを告げました。そしてそれにとって代わったのは分散コンピュータアーキテクチャです。しかし、時代は何故分散コンピュータアーキテクチャなのでしょう。それは大型コンピュータによる処理は害ばかりで利というものがほとんどないからです。今回は方法として大型コンピュータによる集約と、分散コンピューティングとを列挙し比較することで優位性を論じようと思います。
大型コンピュータによる管理はトラフィックの集中を生みます。前にも書きましたがアクセス数が倍になればトラフィック量は四倍と、乗数的にトラフィック量は増大します。よって、二つのサーバを立て、半分ずつの人数がアクセスするようにした場合と比較するとマシンの性能としては四倍の能力が必要となります。三つのサーバを立てた場合とでは、さすがに九倍とはなりませんがそれでも八倍程度の性能が必要となります。トータルコストを考えても、明らかに分散コンピューティングのほうが優位なのです。トラフィックの問題はまだあります。トラフィックがかかったときに最も負荷がかかるのは、PC上で最も遅い場所、つまりハードディスクです。サーバに一般に使われるRAID5というアレイ方法ですと理論値はまともですが、実際は読みこみが台数-2倍、書きこみは台数に関わらず2〜1/2倍の速度になります。誰か一人が書きこみをしている最中に他の人がデータを読みこもうとすると同じディスクアレイ上ですからシークが発生し、極端に遅くなります。おまけに実メモリ容量が足りなくて仮想メモリでも取ろうものなら本当に悲惨な状態に陥るのです。これが二つのサーバを立てた分散コンピューティングであれば、アクセス数そのものが半減します。よってトラフィック量自体も減っていますからディスクアレイの性能が同じであればその分だけシークが減り、応答速度が速くなることは言うまでもありません。この点でもやはり分散コンピューティングのほうが優れています。
明日に続きます。
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