2001/05/10
カードバスの話
私が今使っているノートパソコンもそうですが、最近ノートパソコンのPCカードスロットに「カードバス対応」と書かれています。製品としてもカードバス製品のカードがいくつか出ており、特にネットワークカードやSCSIカードではカードバス製品が通常の製品よりも微妙に高い値段で売られています。それではカードバスって一体何なんでしょう?ということで、さっそく調べてみました。
PCカードの規格は基本的にPCMCIAが主流です。この規格はわかりやすく言うのなら、ISAバスです。ただし速度は倍速になっています。ところが、所詮16ビットバスのISAを倍速にしても遅いことには変わりませんから、時代の流れに沿ってPCIバスと同じ32ビットバスの規格が必要となりました。これがカードバス規格となります。では実際の転送速度を計算してみましょう。ISAの周波数は10MHzです。PCMCIAはこれがどうも20MHzになっているようです。転送速度の理論値はバス幅×周波数となりますから、PCMCIAの転送速度は16ビット×10MHzで160Mビット、これをバイトに直すと秒20Mバイトとなります。対して、カードバス規格はPCIとまったく同じです。よってバス幅は32ビット、周波数は33MHzとなります。PCMCIAと同等の計算を行うと、転送速度は秒132Mバイトとなります。なんとPCMCIAに比べて6.5倍の速度で転送するということになります。と、ここまではいいのですが、果たして20Mバイトという速度は遅い速度なのでしょうか。この速度はSCSI2規格の速度に匹敵します。たしかに遅く感じますが、160Mビットという単位に直すとこれはいわゆる100BASE-Tのネットワークカードの理論転送速度よりも早いことになります。つまり1000BASE-Tでも使わない限り、ネットワークカードはPCMCIAで充分ということになります。また現在主流のUSB規格の転送速度は12Mビットしかありません。つまりPCMCIAカードであってもUSBと比べれば10倍以上の速度があるのです。
結論です。SCSIカードはいざ知らず、ネットワークカードに関しては最大キャパシティを考えてもあえてカードバス対応のものを買う意味はないようです。
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