2001/05/11
国旗国歌の話
日の丸が日本の国旗になり、君が代が日本の国歌になったのは昨年の七月のことですが、既に話題にも上がらなくなりました。
日の丸が使われるようになったのはかなり古く、続日本紀の文武天皇が日章幡旗を使ったところから始まると言われていますが、さらに前の記録も存在します。そちらは文献を忘れたのですが、厳密には日の丸ではなく、日の丸に鳳凰が書かれたものだったと記憶しています(同時に月章幡旗もあった)。まあ、普通の日の丸は文武天皇は701年に立てたと言われていますから、日の丸は今年で1300年の歴史があるということになります。起源から見れば途中紆余曲折はありましたが天皇の御旗と言ってよいでしょう。君が代の起源は一般に古今和歌集の中の「我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」という歌から作られたものです。この歌の相手は恐らく恋人で恋歌だと思われますが、これの先頭部が「君が代は」に変えられた時点で、やはり天皇の代が永遠に続く歌に変わったとみてよいでしょう。以上を踏まえた上で、はたして国歌、国旗として問題があるか、というのが私のもっとも聞きたいことです。日本国憲法では天皇は国民の象徴と定義されています。そのことを考慮して君が代を読めば、国民の代が永遠に続く歌ですし、日の丸は国民の御旗とみなすことができます。日の丸、君が代の制定は天皇制の象徴かも知れませんが、それは日本国憲法で定める天皇制の象徴であり、大日本帝国憲法で定める天皇制の象徴となると考えるのはおかしなことです。国歌斉唱の義務化も私が四歳まで住んでいたアメリカでは斉唱どころか、国歌が流れたら全員直立不動で敬礼。これは事実上の義務です。
というわけで、私は日の丸や君が代が国旗や国歌になることには反対しません。ただし、成立の仕方が悪いと思います。本来、国旗や国歌の制定というのはぱっと出てぱっと決めて良いものではありません。少なくとも国歌斉唱を義務化するなら国民投票くらいはするべき、重要な事柄です。結果がわかっていたとしても国民投票で賛成か反対かを決めるべきだったと思います。
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