2001/04/26
燃料電池の話
最近話題の燃料電池ですが、実はよく知りませんでした。知らないなら調べるのが一番、ということで調べてみたところ、これ、面白いですねぇ。
水の電気分解、というのを実験でやったのを覚えていますか?水に電気を通すと水素と酸素に別れるという実験です。電気を通して水が水素と酸素に別れるなら水素と酸素から水を作れば電気が流れるだろうというのが燃料電池の原理です。実はこの原理自体はデービーという科学者が今から実に200年も前に発見しています。これはボルタの電池のわずか3年後です。さて、燃料電池の原理は簡単ですし、昔から知られていたにも関わらず研究が少なかったのには理由があります。水素です。水素というのはヒンデンブルク号の事故を持ち出すまでもなく非常に燃えやすい物質ですから取り扱いが難しいのです。つまり安全性を確保できなかったのがこの燃料電池の最大のネックでした。ところが最近になって安全な方法が見つかったのです。それは水素吸蔵合金です。この合金は私も色々調べたのですがいまいちよくわからないのですがニッケル系の合金(一番単純だとニッケルマグネシウム合金。複雑であってもどうもニッケルだけは外せないようです)で、既にニッケル水素電池に用いられています。この燃料電池のもう一つの特徴としてはとにかくクリーンだということです。なんせできるのは水です。水しかできないんですから大気汚染の心配もありません。実は水素吸蔵合金を使う以外にも、比較的安全な物質であるメタノールから水素を取り出す方法が確立されています。だったらメタノールそのまま燃やせば?と思いませんか。化学反応させても二酸化炭素は出るんですし。私はそう思いました。そして、最近ではガソリンから水素を作り出すという本末転倒方式なんてのも編み出されています。石油資源に限りがあるからこれに代わるエネルギーである燃料電池を研究しているんじゃなかったんですかね。
ただ、燃料電池の最大の問題は、その原理上発熱を伴うことでしょう。水素吸蔵合金自体が熱変化にたいして敏感に水素吸蔵量を変動させますからこのへんが課題となりそうです。


 

Topへ