2001/04/09
混沌の話
混沌と聞いて何を感じますか?
普通の人は混沌というと無秩序を思い浮かべるでしょう。無秩序とはどんな状態かと言われれば、まったく秩序の無い状態と答えるでしょう。しかしそれは混沌ではありません。ただの無秩序にすぎません。本来、混沌というのは完全なランダム状態であり、ランダムである以上、無秩序という法則を持ってはならないのです。わかりにくいので例を出して説明します。1の次は2、2の次は3、3の次は4という秩序的な法則があったとします。このとき、1の次は2でない、2の次は3でない、3の次は4でない、というのは一見混沌のように見えますが、実は無秩序ではありますが混沌ではありません。真の混沌というのはは1の次は2であったり2でなかったり、2の次は3であったり、3でなかったりという状態を指します。つまり混沌は内部に秩序を保有するのです。これを端的に表わしたのがカオスグラフィックです。カオスグラフィックは誰でも簡単に書け、しかもそこに秩序が存在することを視覚的に知ることができます。方眼紙と鉛筆とサイコロを用意します。サイコロの出目はランダムであり、これは混沌と言えます。サイコロを振って出た目に応じてどう移動するかというルールを決めます。このルールも適当で構わないです。例えば1なら縦に2つ移動、2なら縦横1つずつ移動、という具合に決めてください。このルールはいくら混沌だからといって守らないとランダムにランダムを掛け合わせることになり、わけがわからなくなりますから守ったほうがよいでしょう。移動した先に点を打ち、そこでサイコロを振ってルールに従って進みます。方眼紙をはみ出したらスタート地点に戻ります。これを繰り返すと、ある幾何学的な模様が浮かび上がります。これが混沌の中に存在する秩序、カオスグラフィックです。このことから混沌とは秩序と無秩序が交じり合った状態、両方を内包するものだということがわかります。
ネット上で、今もっとも人気があるのはあめぞう系(2ch系)のサイトです。これらのサイトは秩序と無秩序が交じり合った、混沌とした世界を築いています。このへんに人気の秘密があるのかも知れません。


 

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