2001/04/08
ハッカーとクラッカーの話2
昨日の続きです。
ハッカー達はコンピュータ犯罪を行うハッカーを別の呼び名で言えばいい、と言い出し、こうしてできた言葉がクラック(解読)とクラッカー(解読者)です。ハッカー達はコンピュータ犯罪者をクラッカーと呼び、蔑むことで自らの誇りを取り戻そうとしたのです。つまりクラッカーなんて言葉は最初は存在せずただ単にハッカーがハッカーの一部をそう呼んだに過ぎなかったのです。さて、そこからさらに時代は進みます。コンピュータ犯罪者という意味でのクラッカーはハッカー達の啓蒙活動によって、一部にはなんとか定着しつつありました。ところがコンピュータ犯罪者の中にも、コンピュータに詳しくてできる者とただ単にツールを使うだけでお手軽にやってしまう者が出てきます。そうすると、高い技術力でクラックしていたクラッカー達は低い技術力でクラックしていたクラッカー達と自分達を区別したくなります。誇り高きクラッカーはツールを使ってお手軽にクラックする連中を別の呼び名で言えばいい、と言い出しました。つまりハッカーからクラッカーが誕生した経緯とまったく同じ経緯を辿ったのです。こうして最近になってできた言葉がスクリプトキッディです。クラッカー達はツールを使ってお手軽にクラックする連中をスクリプトキッディと呼び、蔑むことで自らの誇りを取り戻そうとしているのです。まさしく歴史は繰り返す、ですね。
でも、どんなに啓蒙しようと残念ながら世間一般から見ればハッカーもクラッカーもスクリプトキッディも同じで、全てハッカーに過ぎないんです。しかも、そのこと自体、私には間違ってるとは言い切れません。なぜなら、たとえツールを使ってお手軽にクラックしようと、高いスキルを持ってクラックしていようと、高いスキルを持ってクラックしていなかろうと、世間一般の人達にとっては自分達よりも「システムやコンピュータ、ネットワークの内部構造に関して詳しい知識を持」っていることには変わりはないのですから・・・。
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