2000/11/13
SCSIは遅い?の話
こないだ、とある技術系WebPageを覗いていたところ、とんでもない文章を見つけて思わず失笑してしまいました。
簡単に説明すると、IDEと比べて回転数はSCSIハードディスクのほうが速いし、最大転送速度もSCSIのほうがIDEよりも速い、でも実際のハードディスクのデータ転送速度はIDEハードディスクのほうが速いからIDEハードディスクのほうがSCSIハードディスクよりも速い、しかも安いのだからIDEのほうが圧倒的に有利でSCSIを買う意味はない、というような内容でした。これ、一見すると納得してしまいそうなのですが、大嘘です。これはたしかに単体のデバイスとしてみた場合は正しいのですが、まさかパソコンに一つのデバイスしか搭載しないわけではないでしょう。ちょっと説明しますが、SCSIの場合、コマンドキューイング機能というのがあり、データの読み出しや書き込みの順序の最適化を自動的に行います。そのため、IDEに比べて効率的なランダムアクセスが可能となります。これは大型データベースなどでなければ関係ないという反論もあるでしょうから別の面からSCSIの優位性を書きます。構成を具体的に考えてみましょう。例えばCD-Rが1台でハードディスクが2台という単純な構成の場合、SCSIならどの機器からどの機器にデータを転送しても高いパフォーマンスを得ることができますが、IDEの場合は同じコードに繋いだ機器間の転送は非常に悪いパフォーマンスとなります。これはSCSIには切断機能(ディスコネクト)というのがあり、読み出し要求を行ってからそのデバイスからの回答を待つ間にも他の機器に対してアクセスを行うことができるのに対して、IDEでは一つのデバイスにアクセスしている間はそのアクセス待ちの間、他の機器に対してアクセスできないためです。実は切断機能はIDEにもあるのですが、実際にこれに対応しているチップセットが存在していません。つまりアーキテクチャとしての全体パフォーマンスを比べた場合、SCSIのほうが圧倒的に速いのです。
とはいえ、私は速さをあまり求めないので、コストパフォーマンスの一点からIDEをお勧めします。
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