2000/11/14
SETIの話1
SETI@HOMEというのはご存じですか?SETIというのはthe_Search_for_Extra-Terrestrial_Intelligenceつまり地球外知的生命体探査のことです。これをインターネットにつながっているコンピュータを使って行おうというのがSETI@HOME。電波望遠鏡のデータを解析するプログラムをダウンロードすることで誰でも参加できます。この計画に異論をはさんだとしても、恐らく「ロマン」の一言で片づけられてしまうでしょうし、反論を企てればロマンを理解できない無粋な人間だと思われるでしょう。それでも私は書かずにはいられません。この計画に意味があるのか、と。
SETIが求める通信可能な知的生命体の存在数は数式で表わすと「生命に適した恒星の比率」×「惑星を持つ恒星の比率」×「生命に適した惑星の数」×「生命が進化する惑星の比率」×「通信可能で他惑星にコミュニケーションを求める知的生命体の比率」×「知的生命体の存続する時間」となります。この計算をひもとくと、ほんの0.1であっても恐ろしく膨大な誤差が発生しますが、SETIでは巧妙なことに最後の知的生命体の存続する時間と等しくなるように数字を決めています。つまり人類が電波を持って50年、少なくとも50個の知的生命体が存在する、と。ここに詭弁というか、数学のマジックが存在します。なぜならこの数値には時間の概念が考慮されていないからです。光を越える速度を持つ電波というものは、いまだ未確認のタキオン以外存在しませんし、タキオンがたとえ存在したとしてもそれを傍受できる施設を我々人類は持っていません。たとえ知的生命体を要する惑星が宇宙に無数にあったとしても、その生存期間中に発した電波が我々の文明よりも先に発達しており、かつ何年、何十年、何百年前に送られた電波が地球からの光年とたまたま一致しており、かつそれが宇宙からみれば芥子粒にも満たないこの地球に向けて送られたときだけ傍受可能なのです。考えただけでもその可能性がほとんどありえないことがわかると思います。
明日は具体的な例を挙げて説明します。


 

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