2000/11/09
閉鎖サイトの話
最近、あるネットが読むだけで書いてくれないアクセス者に業を煮やして閉鎖(Closed)サイトに変わることになりました。閉鎖サイトというのはそのサイトの全てのコンテンツに対して入場制限がかかっているようなサイトです。TELNETとかFTPならまだわかるのですがWWW上で閉鎖サイトをやるのは何か違うんじゃないか、と説明のつかない違和感を覚えていたのですが、やっとわかりました。これはWWWの定義に絡むからなんですね。
WWWすなわちWorldWideWebは分散ハイパーメディアシステムを構築することが目的でした。ハイパーメディアというのはハイパーテキストの親概念で、他メディアへのリンクを持つメディアのことです。これがテキストファイルならハイパーテキストとなります。つまりWWWの定義というのは無数のリンクで繋がっている巨大なデータベースです。そのリンクがまるで蜘蛛の糸のように張り巡らされているのでこれを世界規模の蜘蛛の糸(WorldWideWeb)と呼ぶわけです。分散にした理由というのも色々あるのですがこれは省きます。重要なのはこのWWW上にあるメディア(リソース)に対しては、誰でも自由に参照できることというのが大前提なのです。よって一部の人だけしか見ることができない情報に対してはリンクを貼ることはできませんからこれはもはやWWWを名乗る資格はないしょう。さらに言わせてもらえばそもそもWWWというのはインタラクティブ(双方向)メディアではなく一方通行メディアなんです。こちらから情報を発信するだけであり、それに対して見返りを求めるものではありません。インタラクティブという言葉が流行ったためにこういう勘違いが出たんでしょうけど。昔の草の根クローズドネットをそのままWWWに適用するというのは簡単だし、誰でも思いつきますが、草の根クローズドネットの行き着いた先はIDを取るだけ取って来ない、死んだIDの山と数え切れないほどの無発言者でした。発言者は一人減り二人減りし、敷居の高さに新しい発言者は来ず、結局誰も来ない、主催者しかいないネットになっていきました。
大丈夫、WWWなら幾らでも補充が効くって?ま、そうかも知れませんけど。
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