2000/11/08
オープンソースの話4
昨日の続きです。オープンソースは全員が購買者、開発者、テスタ、デバッガを兼務することで高速かつ精度の高い製品をリリースさせる手段であると書きました。これは思わぬ効果をもたらしました。「優秀な」プログラマの数の増大というものです。
プログラマが自分の能力を上昇させるには自分で経験を積むか、他人の経験を盗むしかありません。オープンソースにおいてはその発案から途中過程、バグやミス、さらにはテストに至るまで全て行われた瞬間に手に入れることができます。これは読むだけで自分の技術を向上させる、生きている教科書です。ここで重要なのは、フィルタがされていない、つまりどんな小さな情報であっても知ることができるということと、その行為が行われたことがその瞬間にわかるということです。これを私はリアルタイム性と名づけました。これは非常に大事であり、第一に、同じような修正を複数が同時に対応するという問題が発生しにくくします。タイムロスがあると、あるバグに対して対応を発表した人が数百人という事態に陥ることも考えられるからです。第二に、フィルタリングされていない情報は開発者に参加させやすい雰囲気を作ります。たとえ自分が小さな情報しか持たなくともそれを公開し、参加することができるからです。フィルタリングのされている情報であれば、出てくる情報はあるレベル以上のものとなり、自分がそのレベルに到達していればいいのですがそうでなければ敷居となってしまいます。もちろんオープンソースには欠点もあります。発言数が増えるにつれ、その中から自分の知りたい情報を得るのが難しくなりますし、とんでもない発言を目のあたりにさせられることもあります。これは非常に難しい問題であり、解決策もありません。今後オープンソースがどうなるのかは今の段階でどうこう言えるものではありません。ある日突然消えてしまうかもしれませんし、それが当たり前になるかもしれません。
最後に、今回、こうしてオープンソースに対する私の考えをまとめることができたのはメールで私とオープンソースについて議論してくださったKirさんのおかげです。ありがとうございました。
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