2000/08/24
荘子の話
中国の歴史上の人物、荘子を知っていますか?本来は荘周と言います。道家思想の大家ということになっております。私は結構中国の思想も独学で学んでいるのですが、どうしても好きになれない人がこの荘子です。太公望ほどではありませんが・・・。
荘子の道教思想というのは簡単に書いてしまうと、「物事は常に変化している。よって、人間の力で真実を見出すことはできない」。なんだ、昨日私が書いたことと似てるじゃないですか。ところが、荘子は「道」を見つければ人間の力で真実が見出せると言い出すわけです。そしてそれが自分だ、と。うわぁ、なんて傲慢なんでしょう。この人の傲慢さはその所業を見れば更にわかります。かなり意訳になりますが、たとえば彼の友人が王様に仕官かなって荘子にこう言います。「私は王様に仕官できてお金に不自由しない生活ができるようになった。君も誰かに仕えてみたらどうだい」。対する荘子の返事は「あの王様は自分の膿を口で吸い出した医者に大金をあげたそうじゃないか。君は王様の尻の穴でも舐めたんだろう。汚いから近寄るな」。こんな荘子でも仕官の口があったりします。でも、せっかくの使者には「あんたの国は亀を何年も閉じ込めてるって言うじゃないか。あの亀は閉じ込められてるより自由のほうがいいと思ってるだろ、俺も閉じ込められるのは嫌なんだよ」。一事が万事、こんな感じなんですよ、荘子って。しかも、自分の考えと異なる思想は決して受け入れようとはしません。例えば儒教や墨家思想を徹底的に悪辣なまでに非難しまくってるんです。結局彼の行動を分析すると、自分よりもちょっとでも裕福だとか、境遇がいい人に対しては悪し様に言う、たとえ自分の論理が矛盾しても、道教に反していても、相手の意見は決して認めず、常に反対して理屈をこねる。よそから見るとただ単に妬んでいるようにしか見えない人なのです(嘘だと思うなら「荘子」を読んで見てください)。
ところで、ここまで書いて思ったんだけど、その荘子を非難する私も結局は同じ穴のムジナ、もしかして近親嫌悪?


 

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