2002/06/23
空と海は何故青いの話2
続きです。
さて、実は濃いオゾンというのは薄い青色をしています。つまり、青い光を反射しているわけです。しかし、それが空の色の原因ではありません。オゾンの密度は薄いため、青い光を反射しきれるほどの量はありません。太陽の光が大気に触れると、大気中のオゾンやアルゴン、酸素といった微粒子によって拡散されます。光はその波長に比べてはるかに小さい粒子にぶつかったとき、色々な方向に進んでいってしまうという性質を持っているからです。この現象をレイリー散乱と言います。レイリー散乱は波長の短いものほど多く散乱するという性質を持っています。そのため、拡散は紫、藍、青の順に多く散乱されます。しかし、紫や藍の散乱は大気の上層部で行われるため、地上に届きません。また赤、橙、黄、緑といった色を散乱できるほど、大気に厚みがありません。そのため、散乱された光の中で地上に最も多く届くのは青色なのです(とはいえ、もともと大気中の微粒子の密度が極めて薄いため、波長の短い光であっても散乱される光の量は極めて少ない。だが、その少ない量の散乱だけで充分空を青く見せることができる。なお紫や不可視光の紫外線はレイリー散乱によって大部分が散乱されているため、地上に届く量は少なくなる)。そのため、空は青色に見えるわけです。これは本当に「たまたま」であり、大気層の成分や厚さが変われば、色もまた、変わってしまいます。たとえば夕焼けが赤いのは、太陽光の入射角度が変化し、大気を横切る量が増えるためです。波長の長い光は大気を横切ってそのまま直進してしまったり、手前で拡散してしまい、波長の短い赤い光が一番手前で多く散乱されるため、地上に到達するときには、赤く見えるのです。実は空気の汚れている場所ほど夕焼けが美しいという現象が起こるのですが、これは空気が汚れていれば、それだけ拡散される色の量が増えるからです。では、雲が白いのもレイリー散乱によるものなのでしょうか。
続きます。


 

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