2002/06/18
ジャンプで地震の話2
続きです。
地震のエネルギー(エルグ)とマグニチュードは指数関係にあり、マグニチュードが1上がると、エネルギー量は32倍になります(0.2で2倍ということ。だから10倍は約0.6)。マグニチュード3のときの地震エネルギーは2.0×10の16乗(エルグ)で、これを一般的なエネルギー単位に換算すると1.0×10の9乗カロリー=4.2×10の9乗ジュールになります。次に、人間がジャンプしたときに地面に対して発生するエネルギーを求めてみましょう。これはジャンプして最高度に達した瞬間の位置エネルギーが運動エネルギーに変わったということになります(空気抵抗はこの際除外する)。mキログラムの人が高さhメートルまでジャンプしたときに発生するエネルギーはmgh(gは重力加速度)で求まります。さて、実はジャンプしようとした瞬間、つまり地上から足が離れた瞬間に地面にかかるエネルギーは、この位置エネルギーと等しくなります。つまり、着地した瞬間に地面にかかるエネルギーと等しいということです。最初に地面を蹴った瞬間に作用反作用で力がかかり、着地したときにもう一度作用反作用で力が発生するわけです。着地した瞬間に地面に力がかかるというのは理解できると思います。しかし、この、離陸する最初にエネルギーが発生するというのは感覚的に理解しにくいかも知れません。そこで、擬似的な実験をしてみましょう。右手の人差し指を親指で挟み、力をかけます(これが人)。その状態で、右手の人差し指の第二間接を左手のひら(これが地面)にくっつけ、親指を外す(擬似的なジャンプ)と、右手の人差し指が左手のひら(擬似的な地面)を強く押すでしょう。これがジャンプした瞬間にエネルギーが発生するということです。ちなみにこのときのエネルギーは初速度というエネルギー(厳密にはエネルギーは重さ×初速度の二乗/2)となります。長々と説明しましたが、1回のジャンプで発生するエネルギーは離陸と着地で2倍となることがお判りいただけたかと思います。
続きます。


 

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