2002/06/13
同期会の話
久しぶりに同期で集まって飲む機会に恵まれました。私の同期は十数人いるのですが、たった6年でそのうち社内に残っている人は3分の1にも満ちません。そして、社内に残っている人とほぼ同数の人が、同じ他社に移籍しています。そんな状況にも関わらず、海外に在住している一人を除いて、全員が集まりました。
その他社に最近移籍した人が、私が今いる会社の悪口を延々と語っているのを聞いていて、非常に情けなく思いました。会社に対してではなく、その人に対してです。さすがに同期会で喧嘩を売っても仕方ありませんし、その程度の分別くらい私にもありますから何も言いませんでしたが、何度も喉元から「かっこ悪いよ」の一言が出そうになりました。もちろん、会社を辞めたのは、その会社に不満があったからなのは判ります。会社に居るときには言えなかったんだろうなということも判ります。しかし、だからといってその場に居ない人を実名を挙げて非難するというのは、あまりに大人気無い行為ですし、また、他人の気持ちを理解していない驕慢な態度です。彼には、彼がそこまで非難し、呪詛する会社に、私を含めて何人かがいまだに在籍しているということに対して何か考えて発言していたのでしょうか。彼が名指しした人物に恩を受けた人がいるかも知れないということを考えたのでしょうか。恐らく、何も考えずに発言したのでしょう。たとえその場の雰囲気がどうなろうと、彼は彼自身のことだけを考え、彼自身の鬱憤を晴らすだけのために同期会という場所を選んだのでしょう。私にはその彼の行為自体がとてつもなく悲しいものに感じたのです。
私は会社の話をするときは、本質的な内容こそ変更しませんが、可能な限り部署名などを架空のものに置き換えて、類推できない程度に加工してから書いています。それは「私」という一方的なフィルタでしか私の会社を見ることができない読者が、私の所属する会社に対する偏見と先入観を持たないための配慮です。そして、それは同時に私自身の驕慢さに対するフィルタでもあります。


 

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