2002/04/18
タイムマシンの話2
今日は未来へのタイムマシンについて述べます。
未来へのタイムマシンとしては、ウラシマ効果が有名です。ウラシマ効果は相対性理論によって導き出される解です。昨日も書きましたが、これは単純に言うと、早く動いている物体の中で経過する時間は遅いという理論です。さて、ここで疑問を感じないでしょうか。相対性理論は、その名のとおり、絶対性ではなく、相対性を扱っています。Aが静止している状態で、Bが運動しているという状況を想定した場合、これはBから見ると、Aが逆向きに運動しているように見えます(電車の中で外の景色を見ていると、あたかも電車が止まっていて、外の景色が動いているような錯覚に陥ることがあるが、これが相対性)。つまり、どちらの時間も遅れるということになります(この解は正しい)。しかしBがAと出会うためにはBがどこかで方向転換をしなければならず、この時に生じた加速度の変化が時空の歪みとなるため、Bだけが遅れることになります(一般相対性理論による)。実際、相対性理論の実験のために、飛行機に時計を乗せて高速で移動させ、その結果を調べると確かに遅れているのが検出できます。よって物凄く速い乗り物の中で過ごせば、未来へのタイムマシンが可能ということになります。ただ、物凄く速い乗り物というのが現実的ではなく、我々の技術力の限界の速度を用いて、100年間その乗り物に乗り続けても、ウラシマ効果は1日にも満たないので、これは未来の話ですね。現在のタイムマシンとしては、冷凍睡眠を挙げる人も居ると思います。残念ながら、冷凍睡眠は未来へのタイムマシンとは、なりません。これは量子論の時空の揺らぎやトンネル効果を考えればわかります。どのような低温であっても、安定状態というのは存在しない以上、たとえ絶対零度の世界で保存を行ったとしても、変化が発生し、冷凍前と解凍後では、その二つが異なっている可能性が極めて高いのです。
未来へのタイムマシンもまだまだ難しいようですが、現在は不可能であるからといって、将来、画期的な方法によってタイムマシンが実現する可能性までは誰にも否定出来ないのは言うまでもありません。
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