2002/03/05
ひな祭りの飲食物の話
続きです。
ひな祭りには独特の飲食物が供されますが、それぞれについても調べてみました。まず、菱餅です。菱餅は上から桃色、白、緑色となっています。これは春近い季節に桃の花が咲き、しかし大地には雪が残り、その下には緑の草が息づき始めているという光景を表しているといわれています。菱餅の起源についてはこれまた諸説ありまくりなのでよくわかりませんが、最も有力とされているのは、正月の紅白の丸餅の上に菱形のヨモギ餅を載せてそれを菱花びらと呼んでいたのが変化したという説です。これ以外で有力な説は、薬としてという説で、ヨモギも(桃色に染めるのに使う)くちなしも漢方では汚れを払う薬だったということからという説です。なお、菱餅は元々は三角形だったという説もあります。白酒の風習は白い酒を飲むことで体を白く清めるという意味があったと言われており、その起源としては豊島文右衛門伝説(枕元にお雛様が立って、白酒の造り方を教えたという伝説)というのがありますが、文右衛門以前から白酒は存在していましたので、あくまで伝説に過ぎません。雛あられは菱餅と同じように白、赤、緑が用いられます。これは菱餅と同じ理由以外にもそれぞれ、白い大地、赤い生命、緑の自然を表しており、それぞれの力を体に取りこむためという説もあります。また、雛あられ自体の起源は平安時代に遡り、これは節句というものがもともとは女性に休養してもらう日だった(例えばお節という料理は正月だけではなく節句に供される料理で、女性がその日に料理を作らなくても良いように作られた)ことに由来すると言われています。節句の日には女性は外に遊楽に出かけましたが、その際に携帯食として持っていったのが雛あられの原型だそうです。また、地方によっては蛤のお吸い物を出すところがありますが、これは貝合わせという遊びに起源があり、蛤が他の蛤の蓋とは合わないことから、女性に貞節さを教えるためという話です。
明日で最後です。
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