2001/12/21
じゃがいもの話1
さて、今回のテーブルトークではじゃがいもについて書こうと調べてみたのですが、これがなかなか奥が深いようです。
そもそもじゃがいもの原産地は南アメリカの高地(より正確に記述するならティティカカ湖周辺)といわれています。そこからスペインの侵略を経てヨーロッパに渡ったじゃがいもは、当時は鑑賞用として使用され、その芋を食べるという習慣はありませんでした(鑑賞用としてはあのベルサイユ宮殿で植えられたという記録もある)。しかし、じゃがいもは北海道で取れることからわかるように、北限がかなり高く、しかも栄養価も非常に高いために次第に食物として注目されるようになり、主に痩せた寒い土地で育てられるようになります。世界的に見てもじゃがいもを主食とするのはドイツなど、寒くて土地に力の無い地方です。じゃがいもが日本国内に持ちこまれたのは比較的古く、1593年説と1601年説、さらに1621年説などがありますが、このうち1621年説はたぶん違っていると思います。そもそも、じゃがいもが何故じゃがいもになったかというとこれもジャカルタそのものだという説やジャカルタのジャカトラ港説など諸説ありますが、基本的にはインドネシアのジャカルタが関係あります。なんにせよ、”ジャガタラのいも”がじゃがいもに変わったことは間違いありません(このような例は多々あり、たとえばカンボジアうりがかぼちゃになったというのがある。また、じゃがいもも一時期は南京いもと呼ばれたり、ロシア経由で入ったものはえぞいもと呼ばれていたりした)。しかし、肝心のジャカルタが、この時期はちょうどオランダの植民地になりかけのころなのです。そして実際に、ジャカルタ(およびジャカトラ港)は1619年にオランダのクーン総督によってバタビアと改められています。ですから、もし1621年に日本に入ってきたのであれば、これはじゃがいもという名前ではなく、ばたびあいものような名前でなくてはおかしいことになります。
続きます。


 

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