2001/12/13
1ch.tvの話
2ちゃんねるに対抗する勢力としての1ch.tvについて書こうと思ったのですが、あのバトルウォッチャーパティオで私の名前が出てしまい、躊躇していました。あれからだいぶ経ちましたし、そろそろ書いてもよいころかな、と思いますので書きます。
さて、1ch.tvというサイトは将来はどうなるか知りませんが、現状ではとても成功したと言うことはできないでしょう。これは何故でしょうか。私の考えうる最大の理由は1ch.tv自体が市場とするパイを間違えていたからだと思います。その理由を知るためには、まず2ちゃんねるというサイトがどういう市場を持つサイトなのかについて考えるところから始める必要があります。2ちゃんねるというサイトは基本的には「なんでもできる」場です。しかし、それは「何をやってもよい」場ではありません。2ちゃんねるとは、ある程度のルールの上で遊ぶ場なのです。この層というのはいわゆる中庸層に当たり、よほど極端な人でない限りはほとんどの人が2ちゃんねるの中で共存可能なのです。そのため、吸収できるパイが極めて大きいのです。これが2ちゃんねるが巨大化した原因ともなっています。では、1ch.tvの想定する市場とは一体なんでしょうか。そもそも1ch.tvは「2ちゃんねるからあぶれた人」を吸収するという方針があるようです。この方針はネット上での住み分け戦略としては一見正しいようにも見えますが、重大な誤りがあります。何故なら、前述したとおり2ちゃんねると共存できない層というのは「なんでもできるし何をやってもよい」と思っている人か「なんでもできるわけではない」と思っている人ということになるからです。これは一般には極めて特殊な層です。1ch.tvはその特殊な層を吸収しようとしているのです。その結果、集まったのは極めて特殊な層となりました。
1ch.tvが実質上のアンチ2ちゃんねるサイトと化してしまったのも、「2ちゃんねるからあぶれた人」という特殊な層を集めた結果、極端な人材しか集まらなかったということを証明しているのではないでしょうか。
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