2001/12/12
エビとカニとヤドカリの話
前にてーぶるとーくでタコとイカの違いについて書いたことがありました。そういうわけで今回はエビとカニの違いを書こうかと思いましたが、調べていくうちにここにヤドカリというスペシャルゲストも登場してしまいました。
まず、エビもカニもヤドカリも動物学的にはどれもこれも無脊椎動物節足動物門甲殻綱十脚目という分類になります。これらの三種類は同じ仲間ですので区別がつきにくいのです。そんなことはない、ぱっと見ればわかる、という人もいるでしょう。たしかにエビとカニは形が異なりますから区別がつきますし、ヤドカリは貝殻を背負っていますから。しかし、前にタコとイカの話で書いたとおりに、世の中にはひねくれものというか例外が存在します。外見はどう見てもカニで、しかもカニの名前を持っているくせに実はヤドカリというものもいるのです。それはタラバガニです。タラバガニはよく見るとハサミが二本と足が六本の計八本しかありません(厳密には退化した足が二本甲羅の中にある)。普通のカニは足が十本あります。これはヤドカリの特徴です。同じように実はヤドカリというのはヤシガニもそうです。そういうわけで、ちょっと比較してみましょう。エビとカニはわりと簡単です。エビは長い尾を持ちます。そのため長尾亜目という分類になっています。カニは尾が無いように見えますが、知ってのとおり、腹に折りたたまれています。この仲間は短尾亜目と言います。ものの本によると腹に節があるかないかというのもありますが、実はカニも退化していて動かせないだけで、節そのものはあります。さて、問題のヤドカリですが、この仲間は異尾亜目と言います。この仲間の特徴は腹の部分がよじれていることです。実はタラバガニを観察すると腹が左右対称ではありません。ヤドカリの仲間だということがよくわかります。
余談ですが、このタラバガニによく似たアブラガニというのがいます。足の裏面が茶色なのがタラバガニで、白いのがアブラガニです。これ以外にもイバラガニというのがいるようなのですが、よくわかりません。アブラガニとかイバラガニとか、同じような味でも嫌だ!という人はそれ相当のお店に行かないといけないようです。


 

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