2001/12/07
アイスクリームとシャーベットの話2
昨日の続きです。
一方、シャーベットのほうですが、こちらはアイスクリームよりはやや後になります。時代が進み、アレキサンダー大王の時代に、奴隷を使って山から氷雪を運ばせ、果汁と蜂蜜を混ぜて与えたという記述が存在しており、これがシャーベットの紀元ということになります。シャーベットの語源ですが、これはアラビアンナイト(千夜一夜物語)の中でアラビア地方の冷たい飲み物、「シャルバード」が語源ですが、このアラビアンナイトというのはイスラム(イスラムはそれだけでイスラム教の意味を持つため、「教」の文字を外してあります。また、イスラームが発音としてはより近いのですが、一般用法としてイスラムを用います。宗教が絡むと解説が大変だ・・・)圏のおとぎ話であり、シャーベットはおとぎ話の王子や王女が食べていることが判明しました。シャーベットはキリスト教圏の十字軍遠征によってヨーロッパに持ち込まれたと考えられています。また、旧約聖書外でアイスクリームをヨーロッパに持ちこんだ説としてはマルコ=ポーロの説があります。東方見聞録の中に中国の元の北京で乳を凍らせたものを食したという記述があるからです。以上から、おとぎ話のころにはアイスクリームの存在は知られており、また、マルコ=ポーロ説を取ったとしても1300年にはヨーロッパに既にアイスクリームは存在していた、ということになります。おとぎ話の件はこれで片がついたのですが、ついでにアイスクリームとシャーベットの歴史を続けてしまいましょう。一応、アイスクリームとシャーベットの発展期は歴史上では17世紀ということになっています。これは、かの有名なカトリーヌ=ド=メディチが大きく絡んでいます。イタリアではシャーベットはこのころには既に広く普及していましたが、カトリーヌがフランス入りしたことをきっかけにフランスでも広まるようになります。そして、1720年。「アイスクリームの父」ことフランソワ=プロコープがホイップクリームを凍らせたアイスクリーム(グラス=ア=ラ=シャンティ)を作ります。
続きます。
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