2001/10/11
紅茶の作り方の話
今日は紅茶が出来るまでの行程を見ます。
これはよく知られていることだと思いますが、本来緑茶も紅茶も烏龍茶も製法が違うだけで、同じ茶木から作られます(性格には二種類の異なる茶木があり、その交配度合いという差はあります)。これは摘んだ茶葉を発酵させる度合いの違いで、最も発酵させたのが紅茶、半発酵させたのが烏龍茶、まったく発酵させないのが緑茶です。紅茶の作り方ですが、当然ですが、まず茶木から茶葉を摘みます。摘んだ茶葉を即蒸らしてしまうと発酵が止まって緑茶になってしまいますから、摘んできた茶葉は蒸らさずにそのまま一晩、風を当てながら陰干しし、水分を蒸発させます。この行程で茶葉は発酵を起こし、色が褐色になるのです。水分が半分ぐらい抜けて葉がしおれたら一時発酵は終わりです。この時点で炒ったり蒸したりして発酵を止めるといわゆる半発酵状態、つまり烏龍茶になります。紅茶の場合ここから葉を揉んだり切ったりして発酵しやすくして、低温多湿の専用の発酵室に茶葉を薄く広げます。なぜなら多湿の部屋に入れると発酵は熱を出しながら急激に進むからです。熱を持ちすぎると発酵は止まってしまいますから低温の部屋なのですね。この作業で茶葉は数時間で真っ黒になります。そうしたら最後に100度程度の熱風を用いて発酵を止めながら完全に乾燥させます。これで紅茶は出来あがります。こうして出来た紅茶を葉の大きさによってグレード分けします。グレード分けされた茶葉は茶葉鑑定専門家(テイスター)が実際にお茶を淹れることで茶の品質を見極めて、調整を行います。さらにその茶葉は茶葉専用のオークションハウスでせりにかけられます。そしておまけにブレンドを行い、包装をして出荷されます。これでは味が落ちるのも当たり前で、せり落ちした時点で直接流通させてくれなければ本当に美味しい紅茶にはめぐり合うことができません。しかし、最近では日本の業者がせりに参加して即出荷し、店舗卸しをしているケースがあります。私も一ヶ所だけそういう店を知っています。
明日は紅茶の美味しい淹れ方について書きます。


 

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