2001/07/18
ペンと鉛筆の違いの話
英語でペンはpenで鉛筆はpencilです。この二つは似たような言葉ですから、語源も同じなのだろうと思っていたのですが。
penもpencilも当然ですがどちらも起源はラテン語です。ラテン語でpenとは鳥の羽根を表す言葉です。昔のペンは鳥の羽根の軸を鋭く削ったもので、これにインクをつけることで書いていました。古い洋画なんかを見ると鳥の羽根を使っているのが見られますから、なるほど、という感じがします。一方、pencilはラテン語では「小さな尻尾」という、似ているような似ていないような・・・いや、別の言葉ですね、これは。ここでいう動物は哺乳類や鳥類などのことで爬虫類や両生類は含みませんからそういう動物の尻尾には基本的に毛が生えています。しかもその毛は細かいですよね。絵筆は見た目が尻尾のように長いですし細かい毛がついていますから、まるで動物の尻尾のように見えます。そこで絵筆のことをpencilと言っていたのです。ですからpenとpencilは本々は違うもので、penはインクをつけて文字を書く道具を指しており、pencilはそれ以外の絵などを描く道具を指していたのです。ところが、pencilという単語が英語圏に入るころには絵筆には既にbrushという単語が定着しておりましたので、ちょうどその頃に発明された字を書く道具としての鉛筆をpencilと呼ぶようになったのです。さて、pencilの語源は動物の尻尾と言いましたが、さらにその語源を遡ると「突き出ている」という意味の、ある単語に突き当たります。これは海に突き出ているpeninsula(半島)や、顕微鏡で見ると細胞の一部が突き出たような形をしているから名づけられたpenicillinなんかも同じ語源の単語です。はい、もうわかりましたね。実は鉛筆のおおもとの語源はpenisなのです。
テーブルトーク英語強化期間が始まる直前に鉛筆の話を「Hになるほど固くなるものの話」というタイトルで書いたのですが、なんと、こんなところで繋がるとは私も思いませんでした。偶然とは言え、面白いですね。


 

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