2001/07/01
クーラーの話1
ここんところ数日、めちゃくちゃ暑い日が続いています。不快ですね。
不快指数は0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温−14.3)+46.3という数式で求まります。今日の気温を30度、湿度を65%とすると不快指数は約80となります。うわっ、不快なわけだ。さて、この数式に注目すると温度を1度下げた場合の不快指数の変化を湿度を下げた場合の不快指数の変化と同じにするには、数式を分解して計算すると約5.7%という結果が得られます。つまり温度1度の変化は湿度5.7%の変化に等しいということです。室温だけを5度下げて気温25度、湿度65%にするよりは、室温を2度下げて気温28度、湿度50%にしたほうが不快さは減るということになります。そうするとクーラーはドライ機能を使いたくなりますが、さて、このドライというのはどういう原理なのでしょう。その前に、クーラーの原理から説明しましょう。クーラーの原理には高校の物理で習う有名な法則を利用します。それはPV=nRT。ボイル=シャルルの法則という奴です。断熱膨張という言葉のほうがわかりやすいかもしれません。ある気体に高圧をかけます。高圧をかけられた気体を体積はそのままで気圧だけ低くします。するとPV=nRTのPの部分が小さくなり、左辺が小さくなります。nは気体の分子量、Rはアボガドロ定数ですから変わらず、温度であるTが小さくなります。つまり気体の圧力を変化させることで温度を変化させるのが、クーラーの原理です。さらにこれにヒートポンプ方式というものを組み合わせます。これの原理は打ち水と同じです。液体は暖められることで気化します。このときに気化熱というものを奪います。気化熱を奪って暖まった気体を外温で冷やし、液化します。これを繰り返すことで温度を外に逃がします。この二つの組み合わせ方ですが、断熱膨張によって低温になっているのは実は霧状となっている液体なのです。つまり、まず低圧高音の気体を高圧高温の気体にし、それを高圧中温の液体にし、さらに低圧低温の液体にしてその液体が気化熱を奪うという仕組みです。
明日はいよいよドライの原理に迫ります。


 

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