2001/06/21
放射能の話2
昨日の続き?です。さて、放射性物質から身を守れるかもしれない方法については説明しました。しかしある物質が放射性物質に汚染されているかそうでないかを知らなければ、意味がありません。そこで放射性物質から放出される放射能の量を測定する必要があります。というわけで今回のテーブルトークはガイガーカウンターの話。
ガイガーカウンターはドイツのガイガーとミュラーという二人の物理学者によって今から七十年ほど前に発明され、そのためガイガーミュラーカウンターとも呼ばれます。ガイガーはラザフォードの助手として活躍した人で、ラザフォードの原子核発見にも協力しています。一方、ミュラーのほうはガイガーカウンター以外にこれといって業績を残してはいないようです。道理でミュラーの名前が省かれるわけです。ガイガーカウンターの構造自体は実は非常に簡単で、小さな金属の筒の中央に細い金属線を張っているだけです。これで放射能が検出できるのは気体の電離現象を利用するからです。簡単に原理を説明すると、放射線というのは高速荷電粒子(そうでないものもある)で、これが気体中の分子(または原子。ここではまとめて分子とする)に衝突すると、気体分子から電子を剥ぎ取る性質があります。つまり、空気中の分子をプラスイオンと電子に分離してしまうのです。ですから、密封容器内に適当なガス(アルゴンガスやネオンガスのような希ガスを用いることが多い)を詰めこんだものにプラス電極とマイナス電極を用意して、電圧をかけてやります。そうすると、放射線(高速荷電粒子)によって電子とプラスイオンに別れた気体が電極に集められ、電気が流れるのです。この電気の流れを測定することでガイガーカウンターは成立します。補足すると高速荷電粒子でないγ線やX線、中性子線の場合は分子と衝突すると原子核のほうが突き飛ばされ、電子が残るため、結局は同じことになります。まあ、実際には測定しても自分が被爆したことがわかるだけなんですけどね。結局前回と今回と合わせてもあまり役に立たない話でした。
結論。所詮放射能事故が起きたら助からない、ということで。


 

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