2001/06/19
プロ野球のちょっと面白い話
広島カープが日本シリーズに出場するとまれに特殊な現象が起こることがあります。さて、それはなんでしょうか。
どこのデパートも優勝セールをしない?広島県民が大フィーバー状態になって手がつけられなくなる?いやそれもたしかにあるのですが、違います。もっと凄いことが起こるのです。なんと、賞の名前が変わってしまうことがあるのです。そのためには球団の親会社というものを知っておくと良いでしょう。現在のプロ野球の十二球団は大きく分けて新聞系、電鉄系、流通系、食品系、その他に別れます。新聞系としてはジャイアンツとドラゴンズが、電鉄系としてはライオンズ、タイガース、バッファローズが、流通系としてはホークスとブルーウェーブ、食品系としてはスワローズ、ファイターズ、マリンズがあります。ベイスターズも実は食品系で、元々は大洋漁業が株を持っていましたが一部を横浜市に売却して市民球団化しました。さて、唯一のその他が、広島カープです。広島カープというのは元々は東洋工業(現マツダ自動車)が親会社でしたが、株を一部売却、ベイスターズと同様(いや、本当はこっちのほうが古いんだけど)に、事実上の市民球団となっています。さて、広島カープが日本シリーズに出場した場合の話に戻りましょう。実は日本シリーズにはメインスポンサーが存在します。それは日本最大の自動車メーカー、トヨタ自動車です。そのため、日本シリーズでMVPを取った選手にはトヨタ自動車賞としてトヨタの高級車が贈られます。ところが、広島カープの選手が日本シリーズのMVPを取った場合、広島カープの一応の親会社は東洋自動車、つまりマツダです。さすがに広島カープの選手がライバル会社の高級車をもらうわけにはいきません。そこでこの場合だけはトヨタはマツダに対してトヨタ自動車賞をマツダ自動車賞に変え、マツダの高級車を贈ることを認めているのです。このような現象は実は今までに数度しかありませんからかなり野球に詳しい人でも知らないことが多いです。
それにしても、トヨタもマツダも粋な計らいをしますね。


 

Topへ