2001/06/10
新人研修の話1
参考書の話の続きになるのでしょうか。すでに書いたとおり、私はここのところずっと新人のC言語研修のお手伝いをさせてもらっています。なんというか、社内の政治的な取引に絡むとまずいのであまり何も言わないようにしていたのですが、この前はさすがに切れて新人に注意しました。なぜ誰もフローチャートを私に見せないのか、と。
理由は私にもわかっています。新人の誰一人としてフローチャートを書いていないからです。つまり、与えられた課題に対して頭の中で少し考えて、いきなりプログラミングを始め、コンパイルしてエラーが出たらそれを修正して、コンパイルは通っても動かなかったら私や講師の人に聞くという手法を行っているのです。学生気分で素人プログラムをするなら、その方法でもいいでしょう。設計書なんか不用です。自分しかわからないプログラムでも書いていてください。しかし、彼らは新人とはいえプロです。研修も金をもらって受けている、立派な業務です。業務としてプログラムするなら、たとえ本人が不在であっても他者が見てわかるだけの資料を用意しておかなければなりません。それがプロの仕事というものです。新人研修ではプログラムの糞テクニックなど、教える必要はないと考えています。そんなことはソフトハウスさんから借りているスーパープログラマにでもやらせればいいことで、システムエンジニアを育てるならそれよりも前に設計を叩きこむべきです(一応書きますが、別にスーパープログラマを揶揄しているわけではありません。ただ、スーパープログラマは幾らでも供給があるのです。システムエンジニアは圧倒的に供給不足です)。にも関わらず、くだらなく小難しいテクニックを要求する問題を数だけこなさせている今の会社の研修には疑問しかありません。確認したところ、構造化設計手法すら教えていないそうです。なるほど道理でmain文がやたらと長かったり、関数の切り方がぐちゃぐちゃなわけです。これはたとえるなら、米の炊き方や野菜や肉の切り方を教えずにチャーハンの作り方を教えるようなものです。
明日に続きます。


 

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