2001/06/07
壊れたネットワークの話
私が現在勤務している会社には本館と別館があります。
本館のほうはサーバ群は全て100Base-T、一般ユーザは100Base-Tと10Base-Tの混在で、別館のほうは基本的に10Base-T、かつ本館と別館は64K専用線で結ばれるという極めて特殊なネットワーク形態をしておりました。ぱっと聞いただけで本館から別館に流れるデータが64K線に入るところであふれを起こすのはわかるでしょう。このままでは別館側のネットワークが重すぎ、本館と別館とのネットワーク格差が問題となりましたので、今度、本館は全て100Base-T、本館と別館は光ファイバの1000Base-Tに変わりました。で、別館の100Base-Tが置き換え忘れられたのです。まあ、それはよしとしましょう。本館技術者の談話ではこれで別館のネットワーク速度はかなり上昇したとなっておりますが、これは実態を伴っておりません。そもそも本館の100Base化によって、本館のサーバのトラフィックが激増しています。その合間を縫って別館からデータが入り、そしてまた出るのですが、サーバにデータを入れることはほとんどなく、データは読み取りが主です。よって、100Baseの速度でサーバから吐き出されたデータは1000Baseの光ケーブルを通り、10Baseのネットワークに流れ込みます。10Baseのネットワークではもちろん100Baseの速度で来たデータを処理できませんからハブやルータなどがキャッシュにバッファリングすることになりますが、そのスピード格差があまりに激しいため、あっという間にトラフィックオーバを起こします。しかもこのトラフィックオーバはただでさえ遅い10Baseの別館側。以前はかなり速い100Baseの本館側で発生していたトラフィックを別館に移して速くなったと騒ぐのは本館のみしか経験していないネットワーク管理者のエゴイズムに過ぎません。
一部だけ高速化しても全体のトラフィックの向上にはほとんど影響しない。こんな話はネットワークの基礎の基礎で、知っていて当たり前の話です。にも関わらず、実際に別館に来て試したわけでもないのに早くなったと言ってるようじゃ、本当におしまいです。
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