2001/05/05
牛乳は体に悪い?の話
さて、今日の話は牛乳の取りすぎは体に悪いという話です。かなりショッキングな話ですが私は実はそれほどこの説を信じているわけでもありません。何故かは最後に書きますが、そういう説もある程度に留めてください。
まず、牛乳を摂りすぎるのはかえってカルシウム不足を招くという説があるようです。まあ、このへんの理屈はかなりの部分が眉唾なのです(体が間違えて蛋白質を吸収するからとか、かなりトンデモも入っています)が、牛乳の取りすぎがカルシウムの吸収によくない説をまとめると、まずカルシウムの吸収にはカルシウムとマグネシウムが必要で、カルシウムの吸収はリン酸が阻害し、マグネシウムの吸収は蛋白質が阻害するというのが基本です。牛乳には多量のリン酸と蛋白質が含まれているため、結果として吸収されるカルシウムの量が少なくなる、ということのようです。また、牛乳のカルシウム吸収率を上げている物質として常に上がるのが乳糖なのですが、以前にテーブルトークで書いたとおり日本人のほとんどが乳糖不耐性で、肝心の乳糖を吸収できません。乳糖を吸収した、として算出するカルシウム吸収率はたしかに誤りと言ってもいいでしょう。もう一つの話が鉄分の吸収阻害。先ほども出てきたリン酸は鉄分の吸収を妨げます。牛乳はただでさえ鉄分が少ないのにも関わらずリン酸が多く含まれており、結果として鉄不足による貧血を引き起こすそうです。さらに本来は必須アミノ酸として重要なトリプトファンが体に悪いなんて話もあります。
たしかに言ってることは大筋で合っています。しかし、それでもカルシウムは思ったより吸収されないだけでまったく吸収されないわけではありません。リン酸にしても牛乳よりも一般食品のほうが遥かに多いです。また、取りすぎるためにはどのくらい飲まなければならないのでしょうか。そりゃ一日2リットルとか、そういうレベルで飲むなら取りすぎだと思いますが、せいぜい500ミリリットル程度取るのであれば取りすぎを心配する必要はないでしょう。というところでしょうか。


 

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