2001/01/06
アレルギーの話4
昨日は最後にアレルギーは決して治らない、と書きました。これは理屈から考えれば当たり前の話なのです。
そもそも原点に戻って、アレルギーとは何かというと、抗原抗体反応に行き着きます。白血球が誤爆するということはつまりそういうことです。よってアレルギーとは一度抗体反応を起こしてしまった状態ですから、すでに免疫ができているということです。みなさんは一度できた免疫は絶対になくならないことは知っていると思います(私のように特殊な人間でない限り、おたふく風邪には二度かからないのはそのためです)。抗原抗体反応は一生なくなりませんから、アレルギーが治るとか、治ったという話はほとんどが嘘か勘違い(もともとアレルギーでなかった、つまり風邪を花粉症と勘違いしたとか)だと思ってください。ただし、アレルギー発作自体は発作を起こさなければ段々と発病しなくなるのはたしかです。例えばそば粉アレルギーの人が10年間まったくそば粉に触れずに生活していたのに、ある日そばを食べてしまった、でも発病しなかった、ということがあります。これは別に抗体が消滅した、つまりアレルギーが治ったわけではなく、ただ単に抗体反応が発生しない状態が長かったために抗体として忘れていた状態であったということにすぎません。この人が治ったと思いこんでまたそばを食べ始めれば遅かれ早かれ必ず抗体が復活し、アレルギー発作を起こします。ですから何度も書きますが、アレルギーを完治することはできません。できるのはあくまで発作を抑えて、そのことで、ちょっとしたことでは発作が起こりにくくすることだけです。いくら食事療法を採ろうと漢方薬に頼ろうと一度出てしまったアレルギー反応は二度と戻らないのです。
都合四回に渡っていろいろと書きましたが、アレルギー疾患というものについて少しはわかっていただけたでしょうか。花粉症の人は変な民間療法にだまされずに、発作が起こる前に薬を飲むなどして、反応を起こさないようにしてくださいね。
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