2001/01/05
アレルギーの話3
昨日はパラサイト治療法という、サナダムシの卵を飲むことで無理矢理白血球を忙しくして、それでもって治療するという怪しい治療法を紹介しました。ついでなので、ちょっと脱線して別なパラサイトの使い方を話しましょう。
パラサイトダイエットという、寄生虫を体内に飼うことで栄養を食べてもらい、ダイエットを実現するというダイエット法があります。本当に余談ですがパラサイトダイエットは終了するときには虫下しを飲めばいつでも止められる、ある意味、非常に合理的なダイエット法だと思うのですが、日本ではもちろん禁止されています。なぜでしょうね。痩せたい女性にとっては確実に効果があり、しかも健康的(世界的に見ればサナダムシを体内に飼っていない人のほうが不自然です)で無害、いつもと同じように食べても痩せられるという、ダイエットの宣伝文句を全て満たすダイエット法なのに。閑話休題。話をパラサイト治療法に戻しましょう。さて、はじめはこのパラサイト治療法は効果があると思われていましたが、実際に二重盲検法によるテストでまったく優位性がないことがわかりました。そういうわけで今ではどこでも行われていません。なんとも人騒がせな話でした。そういうわけで花粉症で困っている人、間違っても寄生虫に手を出さないようにね。アレルギーで注意しなければならないのはアレルギー発作はそれ自体がアレルゲンとなるということです。つまりアレルギー発作を起こせば症状はどんどんとひどくなる一方で、恐怖の悪循環に陥るということです。よってアレルギー疾患の効果的な治療法はアレルギー発作を起こさせないようにするということになります。杉花粉症でしたら、鼻水が出たり目が痛まないように、薬を使って抑えることが大事です。幸い、アレルギー専門医制度というのがありますので、そういう専門医に相談するのが一番安心です(これまた余談ですが、アレルギー専門医の選定基準を作った医師の一人に私の父がいます)。あと、よく誤解されていますが、アレルギーは決して治りません。
明日に続きます。
#パラサイトは唯一日本でだけまだやっている医者がいるらしいです(既に否定されたのは本当です)。


 

Topへ