2000/10/04
新議論の話
今回は以前の議論の話とは関係がありません。議論についてちょっとだけ書きます。
議論における最終目的は、相手を自分の意見に変えさせることです。これは説得工作です。そのためにやるべきことは相手に自分の意見のほうが相手の意見よりも優れていると思わせることです。これができれば、相手は比較的素直に考えを変えてくれます。逆にやってはならないことは相手の意見の欠点だけをひたすら追求することです。もちろんこの方法が正しい場合もあります。それは誰が見ても相手の意見が根本的なレベルで矛盾を持っている場合です。もともとの意見のうちの言葉尻だけをとらえて間違っているなどと断定しても効果はありません。それはただ単に相手に木を見て森を見ず、という印象を与えるだけで、かえって逆効果になります。また、相手がポイントとしているところに対してそれ以上の案を持ち出すことも重要なポイントです。例えば単価コストが安いというのを売りにしている相手に対していくら品質が高いことを述べても意味がありません。むしろピンボケ発言と取られます。これを切り崩すためには同じような単価コストでより高い品質であることを述べるか、さらに安い単価コストであることを述べるしかないのです。日本においては議論というのはそれほど活発ではありませんし、議論慣れもしていません。そのため、平行線になった時点でどちらかが途中で放棄するとかうやむやにするか、双方痛み分けといった当たり障りの無い解決をしがちです。それが世界から見ると奇妙に見えるのは当たり前です。逆にこれを利用すると日本人に対する議論は簡単に勝つことが出来ます。ひたすら極端な意見を持ち出せばいいのです。日本人は双方が折れて妥協するのが大好きですからその距離の中間で折衷させればより自分の意見に近いところで折衷させることができます。
最近はアメリカがよく日本に対してこんな姑息なテクニックを使ってますね。スーパー301条なんてもろにそれです。こんな姑息なテクニックは議論慣れした諸外国にはまったく通用しませんが議論慣れしていない日本はこれでごまかせるわけです。
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