2000/09/24
MP3の話
もう知らない人はいないというくらい有名になりましたMP3ですが、実際にMP3がどんな原理なのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
そもそもMP3の正式な名称はISO/IEC標準1172-3です。で、なんでこれがMP3になるかというと、ISOの組織であるMovingPicturesExpertsGroupなる団体が絡んできます。決して怪しい団体ではありません。頭文字はMPEGです。そう、実はMPEGというのは団体名だったんです。MPEGが制定した規格のうち、オーディオ関係の規格がMPEG-AUDIO-Layerです。その中で3番の規格がMPeg-audio-layer3、つまりMP3なわけです。MP3の音質がCD並みに高いと騒ぐ人がいますが、とんでもないです。MP3の音質はレコードよりも遥かに音質の悪いCDですら比べ物にならないくらい悪いものです。ここでMP3がどうやってデータを圧縮しているか説明します。一つ目はこれはCDでも取られている方法ですが、不可聴周波数帯域の音を削除しデータ幅を狭めるというのがあります。本来音の周波数に上限はないのですが、人に聞こえる音には範囲があります。これを最小可聴限特性と言いますが、それ以外の音は全てカットします。でも、この範囲に根拠などほとんどなく、実際には聞こえる音もカットされています。これはCDの規格の際に録音できる長さから逆算して最小可聴限特性を割り出したためです。MP3はこれをそのまま利用します。また、マスキング効果というのも利用しています。これは大きな音の後や間にある小さな音は聞こえないとみなすという理論です。実はカクテル効果理論により、聞こえるはずの音もあるのです。よって音質としてのMP3はMDと同じかそれ以下でしかありません。もっとも雑音だらけの電車の中で外に聞こえるくらい大きな音でがんがん音楽鳴らしているような連中に微妙な音の違いや音質の劣化などわかるわけもないのですけどね。
MP3プレイヤによってはこの削られて存在しなくなった音を想像で勝手に復元するものがあります。もちろん合っている保証などありません。それを聞いて他のMP3プレイヤより音がいいなんて言ってる人もいますが、それってMP3の音質が悪いことを証明してるんですけど。
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