2000/07/11
特許の話2
昨日の続きです。
実際に特許はどのようにして確立するのかを書きます。特許を取得するためにはまず始めに特許出願を行います。出願した特許はほっといても大体10ヶ月後ぐらいには公開されますが、それよりも前に公開することも可能です。基本的には自然に公開されるまでほうっておくのですが、特許戦略上、この公開を早めに出すこともあるからです。何故なら出願公開がされないと補償金請求権が発生しないからです。出願公開された特許はそのままほうっておくこともできます。これは他者にその発明を用いて金儲けされないために敢えて掛け捨てで特許を出願し、公開技術(公知の技術)とすることがあるからです(私の保有する障害者用ヒューマンインターフェースに絡む特許がそうです)。その後、出願審査請求というのを行います。以前は出願後7年以内に出願審査請求する必要がありましたが、今は3年以内に出願審査請求する必要があります。ここで重要なのはこの期間は公開後ではなく、あくまで出願後、ということです。いくら公開せずにほうっておいてもさっさと公開してもこの出願審査請求期間は長くなったり短くなったりはしません。つまり戦略上「特許を寝かしておいて期間を長くする」ことはできないのです。出願審査請求は実は第三者が行うこともできます。これは自分の商品が相手の特許に絡むかどうかを確定するためや妨害工作の為に行われることがあります。ここでいきなり特許が確定、ということはまず、ありません。ほとんどの場合は拒絶理由通知というのをもらってしまいます。これでがっかりする必要はありません。拒絶理由通知をもらったら意見書か手続補正書を出せばいいのです。意見書は拒絶理由に対して反論するための資料です。反論内容に納得がいけば拒絶は解除されます。ここで認められるのは、あくまで最初に申請した特許内容だということに注意してください。内容そのものを変更するためには手続補正書が必要になります。
明日に続きます。


 

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