2000/07/05
日本語の話2
昨日の続きです。
何故こんなに日本人は日本語を平然と間違えるのか。それは語源を知らなすぎるからです。誰も語源なんか教えませんし、自分から敢えて知ろうともしません。わざわざ語源を調べるのは私のように日本語に対するハンディキャップがあった人間くらいです。例えば皆さんはご存じですか?一所懸命の語源。時代は平安時代末期から鎌倉時代にかけてです。藤原摂関政治が崩壊して源頼朝が政権を奪取した際に、今までは貴族の持ち物であった土地を武士に分け与えたのです。それまで武士は土地を貴族から借りた形になっていて、高い賄賂を払っていたのですがそれが必要なくなった、つまり自分の土地になったわけです。これを細かく説明すると、武士は自分が開墾した土地を所有するためには荘園制度を利用する必要がありました。荘園制度というのは貴族の持ち物は無税であるという制度です。この特権を利用するために武士は当時の有力な貴族に高い金を払ってその貴族の所有領地(所領)にしてもらう必要がありました。毎年高い税金を払うよりは長期的にはこのほうが安上がりだったのです。一種の節税対策ですね。この方法はまた、他者や国(朝廷)から土地を横取りされずに済む唯一の方法でもありました。誰それの土地だから、と聞けば誰も恐れて奪ったりはしなかったのです。それが開放されたため、武士が自分の土地(=所領)を懸命に守るという意味で「一所、懸命に励む」という言葉が誕生しました。一生じゃないんです。御存知とご存じの違いも知られてないですよね。まず、御存知は「ごぞんち」と発音します。決して「ごぞんじ」とは発音しません。これはその字の通り、「既に知られていること」という意味です。よって「御存知とは思いますが」とか「御存知でしょうが」というときに使います。対して「ご存じ」は「御存じ上げる」という敬語です。「ご存じでしょうか」という具合に疑問系で使います。この違いはほとんどの人ができていませんね。特にMSIMEが誤変換するため、99%以上の人が間違って使用しています。
明日はれる、られるの話から書きます。


 

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