2000/06/30
メモリの話
次期メモリのデファクトスタンダードを狙って群雄が割拠しています。今までの規格の延長のHSDRAMやら早々と脱落したようなVC-SDRAMや、最近のビデオカードに使われているDDR-SDRAMや、こけたと思ったらまた盛り返してきたDRDRAMなど、何がなんだかわからない状態です。整理しておきましょう。
まず、HSDRAMですがこれはPC133のSDRAMにキャッシュを入れたような感じで考えて下さい。実は結構有力な候補に化ける可能性があります。なにせライセンスの問題にほとんど無関係ですから。VC-SDRAMというのは従来のSDRAMを改良してやや早くしたような感じです。例によってNECの製品特有の独自規格で、ピン数こそ同じですがSDRAMとはまったく互換性がありません。よってチップセットレベルで対応しなければならず、また昔はある程度のアドバンテージがありましたが、今は速度的にもあまりメリットがないため、さっさと消えそう(もう消えたかも)です。DDR-SDRAMというのは少しだけ技術的な説明をさせてもらいますと、クロック信号のオンの瞬間とオフの瞬間の両方の瞬間でデータを転送することで二倍の速度を実現させたメモリです。このメモリは実は次に書くDRDRAMの特許を侵害していたことが判明しており、裁判でもこないだ敗訴しました。よって今後、低価格で供給することが困難なため、数年で廃れる可能性が高いです。DRDRAMという早口言葉のようなメモリは今まで挙げたメモリとは完全に別系統で、形状も違い、互換性もありません。特に高クロックのCPUとの組み合わせはかなり高速らしいですが、値段も高いです。ただ、ライバルのDDR-SDRAMが上記のとおりこけつつあるため、今後の主流となるでしょう。今後、昔のSIMMとDIMMが共存していた時代のようにHSDRAMとDRDRAMが共存し、その後DRDRAMに変わるだろうというのが私の予測です。
ところで馬鹿がDRDRAMの特許に対してライバル潰しの不当な権利主張だみたいな発言をしていますが、GIFの話でも書いたとおり企業としては当然の権利の行使です。じゃなければ特許を取ることにまったく意味がなくなるということに気づかない狂信者達を哀れんでやってください。
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