2000/06/29
GIFの話
今日はWindows2000用のフリーソフトを作ると50万円取られるかもしれないという、嘘のような本当の話です。
Windows2000で通常のファイル選択ダイヤログを開くと、縮小版表示というのが選べます。この縮小版表示というのは例えば画像を選択すると縮小して表示してくれる便利な機能ですが、実はこれにはGIFという画像が使われています。GIFというのはLZWという圧縮方法を用いて画像を圧縮しているのですが、このLZWの特許保持者であるユニシスというアメリカの会社が、あるとき突然LZW圧縮方式にライセンス料を払えと言いだしたのです。で、問題のファイル選択ダイヤログを組み込んだフリーソフトウェアも好む好まざるに関わらずこのGIF画像を表示していますのでライセンスが必要になります。こういう場合、大抵はOSを製造している会社であるマイクロソフトがその分のライセンスを保有していますので日本の法律家にはこれに関してライセンス料の二重取りの防止という見地から大丈夫と主張している人もいますが、マイクロソフトのサイトを見ると「自分の分のライセンスは取ったけど、モジュールとして使う開発物の分までは取ってないから自分で取ってね」(意訳)と書かれています。つまりWindows2000用のソフトを作り、それに通常のファイル選択ダイヤログを使用した場合は高いライセンス料を支払って自分でライセンスを取らなければならないのです。実際にフリーソフトが通常のファイル選択ダイヤログを使用したことで裁判になったとかライセンス料を請求されたということはありませんが、その気になればいつでもできるということです。Windows2000用のアプリケーションの開発は恐怖を伴っています。
勘違いしないでほしいのはLZW圧縮方式にライセンス料を払えというユニシスの主張は企業の権利としてなんの問題もありません。正当な権利の主張であり、これが認められないのはかえっておかしい話です。ただし、普及するまでは無料にしておきながら普及しきったところで突然有料にするという手法に対しては強い嫌悪感をいだきます。
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