2000/04/17
タイムボカンの新作の話
タツノコプロのホームページに行くと、「似たような作品が続々と登場し、おのずと業界全体が停滞してしまいます」「今の若いアニメ制作者たちには、こうした澱みを打ち破る斬新なアイディアで、アニメ界を盛り上げていってほしいところです」(「この人に聞く」より)という言葉が載っている。そしてタイムボカンシリーズが久しぶりに新作、というので期待して観たが、残念ながら激しく期待外れの作品だった。CXは全国区ではないので何の話かわからない人もいるだろう。関東だとテレビ東京系で始まった「怪盗きらめきマン」のことだ。
この作品、第一話を観た瞬間に観る気を失ってしまった。とにかく「駄目」な作品である。完璧に失敗である。同じテレビ東京の朝にやっているタイムボカンやヤッターマンの再放送のほうが遥かに面白い。まず、「説明しよう」の連発。タイムボカンシリーズと言えば「説明しよう」、「説明しよう」と言えばタイムボカンシリーズというぐらい、この二つは密接だが、三分に一回の割合で「説明しよう」。くどくてしつこすぎてタイムボカン世代を狙っているのも見え見えで腹が立つ。ペットロボの生意気さも今風にしたつもりなのかも知れないが、空回りしている。そもそも第一話を観ても世界観も目的も何も感じられない。あらゆる点で説明不足だ。「説明しよう」を連発しているのにも関わらずだ。ギャグのセンスも変わらない。絵柄こそ今風になったが、全てにおいてタイムボカンシリーズなのだ。「似たような作品」で、「澱みを打ち破る斬新なアイディア」などどこにもない。三悪トリオを警察側に持ってきた、というのを自慢していたが、根本的には何も変わっていない。
往年のタイムボカンシリーズという資産を使って視聴者に媚び、今風のつもりの設定を盛り込んだ作品がタツノコプロの言うところの「澱みを打ち破る斬新なアイディア」なのか。
イタダキマンは20話で終わり、それ以来17年間もタイムボカンシリーズは作られなかった。この作品が終了したらタイムボカンシリーズは今後二度と作られることはないだろう。
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