タケコプター考 タケコプターは飛べない。
そう、現在の物理学ではタケコプターで飛ぶことはできない。
理由はいくつかある。
まず、最初に思いつくのはあの小さなプロペラで揚力が稼げないということである。
自分自身の体重を浮かすだけの揚力を得るには小さすぎる。
第二に、二重反転ローターでない限り、タケコプターをつけた人間が、プロペラと逆方向に回転することを防ぐ術がない(ヘリコプターはそれを防ぐために横向きに小さなプロペラがついている)。
科学的に説明できなさそうな気がする。
だが、ここで我々が重大な落とし穴に陥っていることに気づいただろうか

ペンギンが初めて発見されたとき、人々はそれを魚だと思ったという。
実際、当時の記録ではペンギンは魚として認識されていたのである。
「海をあのような速度で泳ぐ生き物が鳥のわけがない」という思い込みによって。
「海を泳ぐ生き物は魚」という思い込みによって。

さて、タケコプターである。
どうして我々はタケコプターがあのプロペラで飛ぶと決め付けたのだろうか。
「プロペラがついているから動力はプロペラ」という思い込みに他ならない。

タケコプターはあのプロペラで飛んでいるわけではない。

その点に気づけば、答えは簡単である。
タケコプターはかの反重力装置だったのだ
あとはあのプロペラが何のためにあるかさえ考えれば、タケコプター考は終わりである。
私は以下の3つの理由のどれか、あるいは全部と推測する。

1.冷却ファン説
 タケコプターという反重力装置は多大な熱を発生する。
 そのために冷却装置が必要である。
 あなたがもしパソコンを使っているのなら、パソコンにすら冷却ファンは取り付けられているのだ
 タケコプターに冷却ファンがついていても何の不思議もない
 空冷式を選んだのは、おそらく重量の問題と思われる。
 いくら反重力装置と言えど、軽いに越したことはない。

2.残量計説
 反重力装置はその出力時間が一定ではない。
 そのため、いつ電池切れを起こし、墜落するかわからないのだ。
 とすれば、当然だがエネルギー残量計が必要である。
 しかし、空中でいちいち残量計を見ることはできない
 かつ、第三者が見て警告を発せられるような仕組みが必要だろう。
 とすると、あのプロペラは、非常に優れた残量計である
 まず、第三者が見て残量がわかる(羽根の回転数を見ればわかる)。
 本人には、残量計を見なくてもあのプロペラ独特の回転音だけで、しかも、微妙な残量の変化までわかるのだ。

3.衝突防止装置説
 未来においては反重力装置による空中衝突事故がいつ発生するかわからない
 基本的には空間における衝突事故の確率は低いのだが、例えば訓練中(のび太はタケコプターを初めて使ったとき、うまく飛べなかった)に教官と衝突する、友人と空中遊泳中に誤って衝突する、ということで負傷者や最悪死者まで出るかも知れない
 これを回避するためには、ある一定範囲に他者が近づいたら、自動的に回避する、衝突防止装置が必要である
 あのプロペラは実はレーダーの役目をしているのではないだろうか。


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