2002/11/29
イチョウエキスの話
最近、ニュースでイチョウの葉を使った健康食品に注意するように促しているのを見かけました。イチョウといえば、銀杏でかぶれたりするし、ウルシ科だし、あんまり良くないんだろうなと思って調べてみたら案の定、危険物質のオンパレードです。
まず、イチョウ葉エキス関係のサイトを見ると必ず「除去しました」と書いてある、ギンゴール酸(フェノール誘導体。ちなみにギンゴ(ginkgo)はイチョウのこと)。高いアレルギー性を持つ物質です。しかもかなり適合性を持ち、アレルギー体質でない人でも、大量に摂取すると危険だそうです。それ以外にもイチョウ特有の危険物質としてギンゴール、ヒドロギンゴールといった物質が含まれており、ビフラボン(これに関しては、有益物質というデータも存在する)やビロボール(ギンゴール酸と同じくフェノール誘導体。ウルシかぶれの原因となるウルシノールの類体)まで含まれています。そして極めつけは、4−0−メチルピリドキシンと呼ばれる物質で、これはビタミンB6の類体なのですが、これがビタミンB6と競合して体内にビタミンB6欠乏を起こさせることが最近の研究(北海道医療大学薬学部生化学教室・和田啓爾教授)によって判ってきました。ビタミンB6は基本的には欠乏しない物質なのですが、不足すると脂漏性皮膚炎や、ペラグラ様皮膚炎などを引き起こします。これらの物質のうちイチョウ葉エキスに関するサイトで公開しているのは基本的にギンゴール酸だけ(場所によってはビフラボンも)で、それ以外の(有効成分よりも多いのではないかと思われるほど多岐に渡っている)有害物質に関する情報は一切公開しておりません。
個人的な意見を言わせてもらうなら、どうしてもイチョウの葉エキスを飲みたいという人を止めるつもりはありませんが、悩んでいる人には辞めたほうがいいんじゃないかとアドバイスします。イチョウの葉エキスの効果は色々書いてありますが、結局そのメインは「活性酸素の減少(ビタミンCの錠剤でも飲めばいいのでは?)」と「ただの血管拡張作用」ですもん。
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