2002/10/07
憎むべきは・・・の話2
続きです。
韓国の保有する国家賠償請求権に対しては、日本が経済協力を行うことで賠償に代えるという条約を結びました(1965年の時代に、1080億円分の物資や役務の無償提供と720億円の貸し付けという巨大な資金が日本から投入された。しかし、何故か韓国政府が自国の戦争被害者に与えた民間補償は60億にも満たない。大半はどこに消えたというのだろう)。中国もまた国家賠償請求権を放棄していなかったのですが、日中国交正常化の際に国家賠償請求権放棄がうたわれました。よって現時点で国家賠償請求権を放棄していないのは現時点では北朝鮮だけ(厳密には台湾が残っているのだが、現時点では中国との関係から台湾という国家の存在そのものが非常に微妙なため、何もできない)となっていたのです。よって今回、日本と北朝鮮が国交正常化を行うことができ、かつ国家賠償請求権に関する取り決めができれば、日本政府としては戦後賠償請求権を持つ国が無くなるということになるわけです。だからこそ、無茶苦茶いい加減な拉致報告でも、日本政府としては北朝鮮との国交正常化を進めようとしたがるわけです。とはいえ、国民にとっては政府のそんな政治的な思惑よりも国民を拉致という大犯罪を犯した国家を許すはずもなく、怒るのは当然のことです。しかし、だからといって、在日朝鮮人に対して嫌がらせをするというのは筋が通りませんし、それでは大犯罪国家の北朝鮮と同じレベルに落ちるだけです。そもそも、日本人拉致に関する正統化は、(それが本当か嘘かは別として)日本という国家の犯した戦争犯罪に対する対価行為としてしかできません。つまり国家の犯罪を一部の国民に対して賠償させるという異常行為なわけですが、在日朝鮮人に対して嫌がらせを行うこともまた国家の犯罪を一部の国民に対して賠償させるという異常行為になるのです。誇り高き日本人として、そのようなレベルに落ちるのは恥ずかしいことだと思いませんか?
続きます。


 

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