2002/04/25
分散コンピューティングの話2
続きです。
分散コンピューティングは利点ばかり目立ちます。欠点が無いように見えました。ところが、ここに思わぬ落とし穴が待っていました。各サーバを記憶装置とみなし、そのサーバと繋ぐクライアントを演算装置とすると、転送路はネットワークです。そのネットワークにおいてデータの転送量が多くなると、パケット衝突という現象を起こし、転送速度が極端に遅くなります。これ、どこかで聞いたことのある話だと思いませんか?そう、フォンノイマンボトルネックなのです。本来のフォンノイマンボトルネックは一台のマシン内で、演算装置と記憶装置間の転送路でのアクセス競合のことを指していました。しかし、最近はこれと同じ現象がネットワークの世界で発生しているのです。これは10ベースから100ベース、ひいてはギガビットイーサになっても変わりなく発生します。一般にネットワークトラフィックはマシン台数の二乗になると言われています。10台のマシンをネットワークに接続するとトラフィックは100倍になるということです。ネットワークの速度向上に比べ、マシン自体の速度が向上しすぎ、またそのマシンに接続する台数が激増した結果、ネットワークで競合が発生し、それがボトルネックになるという事態に陥ったのです。さらに、ネットワークアーキテクチャの問題が絡んできました。どこにどういう具合にマシンを設置すればもっとも効率がよくなるかという設計に多大なコストがかかるようになったのです。その上、マシン自体が安くなってしまったことが、コストパフォーマンスを落とすことになりました。分散コンピューティングを行うと各サーバごとに管理者が必要になります。もちろん兼任も可能ですが、一人で何台ものマシンを管理するというのは負荷が大きすぎるため、余分に人が必要になります。その人件費がマシンのコストよりも高くなったのです。コストで言うなら、電気代も馬鹿になりません。発熱の問題もあります。
続きます。


 

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