2002/01/23
ドラえ問題の話
今回の共通テストでドラえもんが取り上げられた関係からか、私のサイトへのリンクが増えているようです。今回の問題を読んで思ったことは、理系離れが進んだ理由が垣間見られたな、ということ。はっきり言って問題作成者は科学者を名乗る資格はありませんね。
現在の科学を全てと思いこみ、そこから溢れるものは全て否定するというのは科学的ではありません。ただの科学盲信です。科学は宗教ではありません。ですから、盲信するものでもありません。もちろん、何度も書きますが、科学とは懐疑の心を持つ学問です。現在の科学が不完全なものということを認識し、それをより完全なものにしようとする心、と考えてもいいでしょう。相対性理論もニュートン力学を盲信せず、そこからはみ出すものを探すことから始まりました。そして光というニュートン力学から外れるものを見つけ、それを研究することで、誕生したのです。その相対性理論にも懐疑の心は向けられました。相対性理論からはみ出す現象がないか探し、ミクロの世界において適用できないものを見つけ、それを研究し、量子論が誕生しました。例えば目の前にどこでもドアに関する理論があったら。気圧差問題というものを指摘することは科学です。しかし、その問題が起こっていないなら、何故起こらないのかについての理論を導き出すのも科学の役目です。科学的懐疑主義というのは、当たり前だと思っていることを疑い、穴を見つけ、その穴を埋めることです。今回の共通テストの問題は穴を見つけるところで止まってしまっています。こんなものを科学と言わないで欲しいです。科学は決して夢を否定するための学問ではありません。夢を現在の科学から不可能と言いきってその実現を妨げるための学問でもありません。科学とは、現在の理論ではできない夢を実現するための理論を模索できる唯一の学問なのです。
現在の不完全な科学を元に、穴だけを指摘し、その解決法を考えさせようとしない。そんな非科学的な人間に科学の問題を作る資格は無いと思いますし、そんな人間に科学を教えられる人は、とても可愛そうだと思います。
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