2001/07/09
FEPとIMEの話
私は実はかなりの種類のFEPもとい日本語変換機能を使った経験があります。最初に触れたのはNECAI(知らない人がいるかもしれないので説明しますが今となっては懐かしい日本電気AI漢字)というもので、その後当然のようにATOKを使いましたし、ちょっと特殊なものですと松とかWNN(フリー。正式名称は「私の名前は中野です」)なんてのも使いました。
私は昔からの癖で日本語変換機能のことをFEPと呼んでしまいますが、最近ではIMEと呼ぶのが当たり前になってきました。これは流れとしては正しいことで、何故なら、FEPを日本語変換機能として使うのは本来は誤用だからです。FEPとはFrontEndProcessorの略であり、日本語に訳すなら前置処理装置というような意味になります。これでは何を意味しているのかさっぱりわかりませんよね。それも当たり前の話で、FEPは元々はマルチプロセッサ処理ができる大型コンピュータ上でメインプロセスの負荷を軽減させるために別のサブプロセスなり子プロセスなりを用いてデータの前処理や制御を行わせたのが始まりだからなのです。これが何故か出入力補助装置を指す言葉になり、最終的に出入力補助ソフトウェアを指す言葉となって、日本語入力変換機能を指す言葉として広まりました。まあ、データを事前に加工するということでひらがな文字を漢字かな混じり文にする機能をFEPといってもおかしくはないのですが。対してIMEは最初から言語変換ソフトを指す言葉として誕生しました。IMEとはInputMethodEditorの略で日本語に直訳すると入力方法編集機、まさしく言語変換機能そのものです。この言葉は実際にはマイクロソフト社がWindows用に作った言葉のようです。ただ、実際にはFEPの代わりにIMEを用いるのは誤りです。IMEには編集の意味が含まれていますから、IMEに対応するのはワープロソフトのはずなのです。ですからIM、InputMethodがFEPに対比する日本語変換機能となります。
最近はMS-IME以外のIMは使わなくなりました。馬鹿だとかなんだかんだ言われていますが、NECAIをこよなく愛していた私にとってはこの程度の変換力でも問題なしです。
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